【物事の本質を考えられるようになりたい人におススメ!】『池上彰の教養のススメ』(読書感想)

この記事では『池上彰の教養のススメ』の紹介、読んだ感想を紹介しています。

 

先日も出口氏の『人生を面白くする本物の教養』という教養に関する本を紹介しましたが、他の方が教養に関してどのように認識しているかも知りたかったので、こちらの本を読んでみることにしました。

 

 

池上彰の教養のススメ』本の概要

☆なぜ今、教養?

21世紀の日本にいちばん足りないのが「教養」だから。
1990年代、文部省が大学のカリキュラムを実学一辺倒にして、大学で教養の地位が低下した。企業も、英語やITスキルや各種資格を重視して、
人材を採るようになった。結果、日本からは、クリエイティブな商品、新しいサービス、美しいデザインが生まれなくなった。
「すぐに役には立たない」教養こそが、「一生使えるクリエイティブな道具である」。いま、企業でも、大学でも、求められているもの、それが「教養」なのです。

☆なぜ池上彰が教養を?

日本には教養が足りない! でも、誰に教わればいい?
最強の「先生」が、大学の教壇に。
ジャーナリストの池上彰が、2012年4月から、東京工業大学に設置された教養コース、リベラルアーツセンターの教授として、
現代史などの「教養」を東工大の理系学生に教え始めた。本書は、2年間の授業を通じて、日本人に必須の「教養」について、わかりやすく解説。
勉強に、ビジネスに、人生に、趣味に、人間関係に、「教養」の重要性を、池上節で伝える内容。

(引用:Amazon.co.jp

 

池上彰の教養のススメ』は381ページ。読みやすい文体ではありますが、内容が充実していることもあり、読むのに1週間程度はかかりました。

 

池上彰の教養のススメ』勉強になったこと

教養を学ぶ意味

池上彰の教養のススメ』では、教養を学ぶ意味として「自分の存在が社会の中でどんな意味を持つのか、客観視できる力を身につけること」と書かれています。

様々な分野を学ぶことで高度な社会性を身につけ、自分と社会を見る「軸」を身につけることで、何が社会にとって良いことなのか、根本的なことを考えられるようになるそうです。

また、知識を身につけるだけではなく、コミットしていくような実践能力を兼ね備えていることが本物の教養であるとのこと。

 

哲学・宗教・生物学を学ぶ

池上彰の教養のススメ』では、哲学者の桑子敏雄先生、文化人類学者で宗教がご専門の上田紀行先生、生物学者本川達雄先生が、池上彰さんと対談しながら、なぜ各分野をテーマに研究しているのか等をお話ししています。

 

哲学

「人間とは何か」を問う学問である哲学。桑子先生は人間と自然との関係を考えたいと思ったことから、哲学者を志しました。

現在は社会的合意形成をご専門としているそうですが、合意形成を進める際に哲学の考え方を基にしているとのこと。

私はまちづくりのコンサルティングを仕事としているので、地域の方の意見をまとめなければならない場面がありますが、そんな時に哲学の考え方が役立つのかもしれないなと感じました。

 

宗教

今の日本社会の生きづらさを解消するためには、もう一度宗教を見直す必要があるという上田先生。

日本では会社やお金といった合理主義で生きている人が多いですが、それだと社会が危うくなると書かれています。

宗教のほかにも家庭や趣味などを大切に生きていくことで、合理主義から脱却し、リスクを分散していくのが良いというのが上田先生の考え方です。

「なんか生きづらいな…」そう感じる方は一度宗教を学んでみるのもいいかもしれませんね。

 

生物学

池上彰の教養のススメ』には、「人を知りたければ、生物学を学べ。」と書かれています。

例えば、組織は大きい方がいいのか?小さい方がいいのか?という問題に対しても生物学の視点から考えています。

生物の世界ではあらゆる大きさの生物がサバイバルしていますが、その生き残りの第1条件は「大きいか/小さいか」ではなく、規模にあった生存戦略をもっているかどうか、だそうです。

このように人間社会について考えるヒントが、生物学を学ぶことで得られるようですね。

 

教養を学ぶのにおすすめの本

池上彰の教養のススメ』ではいくつかおススメの本が紹介されています。

今後私自身「読んでみたい」と感じた本をまとめておきます。

 

 

終わりに

最近、仕事は楽しいけれど、本質的な解を見いだせていないな…となんとなく感じていました。

この本を読んでみて、仕事に関する専門書ではなく、教養に関する本を読むことで、その解が見つけられるようになるのかもしれないと思いました。

一方で自身の専門分野に関して、もっと勉強することも必要だなと思うので、専門と教養のバランスをどう取っていくかが難しいですね。