【文章を書く人におススメ】『なぜか惹かれる言葉のつくりかた』(読書感想)
この記事では『なぜか惹かれる言葉のつくりかた』の紹介、読んだ感想をまとめています。
仕事上、これまで書いたことのないテイストの文章を書くことが求められるようになり、そのヒントを求めてこの本を買いました。
作者の能勢氏はananの元編集長だそうで、そういった方が書いた本であれば、思わず読みたくなるような文章の書き方を学べると感じました。
『なぜか惹かれる言葉のつくりかた』本の概要
企画書や記事を一生懸命つくったのになかなか読んでもらえない。
商品やサービスのPRを頑張っているのに思うように売れない。
……ともどかしい思いをした経験はありませんか。
どんなに素晴らしいコンテンツも人に届かなければ意味がありません。
本書では、
雑誌・書籍の編集者として活躍し
webメディアのディレクションや
コンテンツマーケティングも行う著者が、
「読まれる」「売れる」言葉をつくるのに必要なことだけを
余すところなく紹介し尽くします。
・知名度80%が流行語の使いごろ
・和語を使うとはんなり感があふれ出す
・中身勝負のときは安定感の定型パターン
・ヒットメーカーが大事にしていたお茶会
・読者を途中で飽きさせない工夫
といった内容はもちろん、
・先を聞きたくなるプレゼンづくりの秘策
・ひと目で伝わるビジネス文書とは?
・文章やメールがスラスラ書けるコツ
など、ビジネスに役立つトピックも満載。
どれも一度身につければ一生使える、
文章をつくるすべての人にぜひ知ってほしい技術です。(引用:Amazon.co.jp)
『なぜか惹かれる言葉のつくりかた』は205ページ。読みやすい本ですので1週間で読み終わりました。
『なぜか惹かれる言葉のつくりかた』勉強になったこと
言葉をつくるにあたっての姿勢
つくるもの(記事など)に誠実に向き合って、それを丁寧に言葉にすることが最も大切と書かれています。
キャッチコピーの技術に関しては多くの書籍が出されていますが、つくるものに向き合わずに技術だけ用いても、人を引き付ける言葉は作れないとのことです。
編集の定義は「誰かになにかを魅力的に伝えること」。対象の"売り"をしっかり考えることで、惹かれる言葉をつくることができると本書から学びました。
言葉をつくる手順
記事を書く際に、取材する対象を決めた時点で、対象の"売り"、書くことを決めるとスムーズに記事を書くことができると書かれています。
そのうえで、取材の中で感動した"想い"を書き出して、"売り"を1つに絞り込むとよいそうです。
また、コンテンツを企画する段階から始める際には、直接読者と話をして、自分の"想い"を浮き出したうえで、企画の発想や記事のテイストなどを考えるのが有効と書いてあります。
相手の気持ちになり、読者の潜在的な望みまで把握することで、読者に響く企画を創り出せるということですね。
言葉を磨く
「伝えたいこと」が瞬時に伝わる言葉、ニュアンスを含め正確に伝わる言葉が、結果として「強い言葉」になると能勢氏は書いています。
そのための言葉の磨き方として、どういう時にどのような言葉を使うとよいのか、以下のように書かれていました。
- ニュアンスを含めて正確に伝えたいとき→メタファー、擬人化
- 五感を盛り込んで伝えたいとき→オノマトペ
- 優しいニュアンス(はんなり感)を出したいとき→和語
- 言葉の意味を膨らませたいとき→ひらがな、カタカナ
- 言葉そのものを強調したいとき→かぎかっこ、句点
- リズム感を出したいとき→7-5拍(7拍、5拍の単体でも◎)
注意事項として書かれていたのは常套句。意味のないものとして言葉を聞き流してしまう効果があるそうです。
終わりに
『なぜか惹かれる言葉のつくりかた』の「おわりに」に書かれていた女優の木内みどりさんの言葉がとても心に残りました。
心の底から歌いたくて歌いたくて歌いたいから歌う。体の底から踊りたくて踊りたくて踊りたいから踊る。そのエネルギーが、ものづくりの原点でしょう?
なにかの文章を書くときにも、本来は「伝えたいから伝える」はずです。
仕事に追われているとそんなことも忘れていることがあるのですが、今一度"想い"を大切にして文章を書いていこうと思いました。